2017年1月17日火曜日

【震災から22年、経験談語り継ぐ】阪神高速会社、震災資料保管庫を一般公開

 阪神高速道路会社は14、15の両日、阪神・淡路大震災で被災した構造物を保管している震災資料保管庫(神戸市東灘区)を一般公開。2日間で約300人が来場した。

 大震災から22年を迎え、被災経験継承のさらなる契機と捉え、一般市民に震災被害を知ってもらい、防災意識を高めてもらおうと企画した。

 この特別開館では、阪神高速道路会社のOBなどの関係者による被災構造物の説明が行われたほか、震災当時に復旧対応に従事した職員とOBによる講演も行われた。

 14日には、神戸線復旧建設部の部長として復旧・再構築の陣頭指揮を執った出口正義氏が語り部として登場した。

 出口氏は、震災当日の様子や対応などにも触れながら、「当時は作る技術があっても、あれだけ大きい構造物を撤去したり、直したりする技術がなかった中でスタートした」とし、復興車両が通行する国道43号の交通を確保しながら「被災した神戸線が余震で二次災害を起こさないよう、ベントで支えながら工事を展開した」と説明した。

 続けて出口氏は、当時の被災状況や撤去・再構築に使われた技術などを写真で解説しながら、「96年12月までに全線開通が至上命令の中、阪神高速職員とゼネコンら施工業者が知恵と工夫で予定より3カ月も早く復旧することができたが、それは普通の道のりではなかった」と振り返った。

 最後に「開通させただけでなく、以前より強く、そして走り心地のいい道路にすることもできた。地震はいつ来るか分からない。皆さんも備えを十分にしておいてほしい」と訴えた。

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