カジノを含む統合型リゾート(IR)の推進に積極的な姿勢を見せてきた横浜市の林文子市長が、25日の定例記者会見で「ギャンブル依存症対策を優先させたい」と発言して関係者を慌てさせている◆市はこれまで横浜商工会議所などと歩調を合わせて誘致に前向きな活動を展開していただけに、方向転換とも受け取れる発言は、関係者にとっては青天の霹靂(へきれき)。昨年12月のIR推進法成立時には「市の都心臨海部を活性化し観光MICE(国際的イベント)を推進する上で有効な手法」とコメントしていた市長の真意を測りかねている◆IR導入推進では当初からギャンブル依存症の増大が危惧されていた。それに対しても「しっかりとした対策を検討する」と応じていたが、やはり市民の声は無視できず、「依存症対策の優先」を表明せざるを得なかったというところか◆横浜市は8月に市長選を控えている。既に民進党は「カジノ誘致反対」を争点に対抗馬の擁立を目指している。林市長が出馬すれば再選は固いと見られているが、あらかじめ火種を鎮めるための作戦なのかは不明だ。(さ)
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