2017年1月18日水曜日

【安心して使って下さい】トイレの操作記号、メーカー9社で統一へ

記者会見で発表された操作記号のイメージ
メーカー9社で統一される操作記号

日本を訪れた外国人のビジネスマンや観光客が驚くものの一つとして、高機能なトイレが挙げられるだろう。蓋や便座が自動で開閉したり、お尻を洗う装置が付いていたりなど、海外ではあまりお目に掛からない機能が満載されている。こうした環境に慣れ親しんでいる人ならば、操作パネルに並んだボタンはあまり苦にならないかもしれないが、初めての方ならば「これは一体なに!?」と戸惑うこともあるだろう。

 TOTOやLIXILなど主要メーカー9社が連携し、「非常口」のマークでお馴染みのピクトグラムを、トイレの操作パネルに導入する取り組みを開始した。業界標準として考案した操作記号は便器洗浄やお尻洗浄など合計8種類。業界団体の日本レストルーム工業会が音頭を取り、メーカー各社のデザイナーが集まって、国内外共通のデザインを考案した。

 個室に入ると自動的に蓋が開き、用を足した後にはお尻を洗う。立ち上がると水が勝手に流れて最後に蓋が閉まる。至れり尽くせりのトイレは、日本人のアイデアと技術力が産み出した独特の文化といえる。家電製品なども同じような傾向があると思うし、慣れてしまえば何でもないことなのかもしれないが、ずらりと並んだ操作ボタンを初めて目にすれば、「ボタンを押していいの?押したらどうなるの??」と考えてしまっても仕方がない。

公共トイレのイメージ
(提供:TOTO広報部)
TOTOが2014年に行った「外国人のトイレに関するアンケート」(回答600件)では、「日本の公共トイレで困ったことは?」という問いに対して、25・7%が「さまざまな操作ボタンの役割が分からなかった」と答えたという。訪日外国人旅行者は昨年2400万人を超えた。2020年に向けて政府は4000万人の目標を掲げる。飛行機を降りて入国手続きをする前に「さてトイレに行こう」となった時、「謎のボタンが並んだ操作盤のあるトイレ」とご対面では、日本に来て早々戸惑ってしまうかもしれない。

LIXILのトイレ操作パネル
(提供:LIXIL広報部)
メーカー共通の標準ピクトグラムは、17年4月以降に発売する新商品やモデルチェンジ商品から採用が始まる。世界共通のマークにするため、ISO申請も予定しているそうだ。すでに設置済みの商品をどうしていくかは今後の課題だが、ひとまず「日本独自の快適で高性能なトイレをより多くの人に知ってほしい」という思いが込められたピクトグラム。さてどのような評判を得られるのか、期待を込めてお目見えを待ちたいと思う。
TOTOが販売しているネオレスト用の操作リモコン。
今後発売する新商品などで、操作ボタンの記号が標準化される
(提供:TOTO広報部)

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