2017年1月19日木曜日

【18年度末完成めざす】大島架橋事業(宮城県気仙沼市)、2月下旬に上部工架設着手

 ◇施工はJFEエンジJV◇

 宮城県気仙沼市の大島と本土を結ぶ大島架橋事業で、橋梁本体の主要構造物となる上部工を架設する作業が2月下旬に始まる。

 付近の朝日ふ頭で組み立てたアーチなどの部材を3000トン級の大型クレーン船でつり上げ、5日間かけて架設する。1カ月程度で架設や溶接を終え、東北初の離島架橋が姿を現す。

 事業主体の宮城県は、18年度末までに橋梁本体や近接するトンネルなどを完成させ、19年度に供用を開始する方針。架橋の施工はJFEエンジニアリング・橋本店・東日本コンクリートJVが担当している。

 大島架橋事業は東北初の離島架橋事業として、県の11年度当初予算に設計委託費など2億51百万円が盛り込まれ、14年11月に橋梁本体工事の着工式が気仙沼市磯草で開かれた。気仙沼大島大橋は、橋長356メートルの鋼中路式アーチ橋で、アーチ支間長は297メートル。完成すれば東日本では最大のアーチ支間長になるという。

 ◇2月下旬に上部工架設◇

 来月下旬にスタートする上部工の架設作業では、主要構造物となるアーチ部などを5日間かけて一括で架設する。架設完了後に1カ月程度で溶接などを行う。今夏から電線や水道管などの配管工事を始める。

 上部工はJFEエンジニアリングの津製作所(津市)で仮組み立てを実施。昨年7月に現場に近い朝日ふ頭に搬入し、アーチ部と補剛桁を接合させ、中央径間を完成させた。橋梁の詳細設計などは大日本コンサルタントが担当した。架橋事業では、同橋のほか、本土側に2本、大島側に3本のトンネルを整備する。トンネルの施工はいずれも橋本店が担当している。

 トンネル5本と橋梁1カ所を含む延長8・0キロの道路整備を17~18年度の残り2年間で完成させ、19年度早々に供用を開始する。全体の事業費は約206億円が見込まれている。

 県気仙沼土木事務所の担当者によると、2月中に本土側のトンネルが完成し、供用を開始する予定という。島側のトンネルはこのほど用地買収を終え、近く造成工事に着手する。大島は本土との連絡手段が船舶しかなく、東日本大震災では島民らが長期間にわたって孤立した経緯もある。架橋事業は住民や行政らの長年の悲願だった。

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