2017年1月25日水曜日

【総延べ延べ4万平米、19年着工めざす】札幌市、冬季版NTC構想案公表

札幌市スポーツ局は、ウインタースポーツ振興の一環として市内への誘致を検討している冬季版総合ナショナルトレーニングセンター(NTC)の構想案をまとめた。

 屋内外のトレーニング施設のほかに医科学施設、宿泊・サービス施設などを備えた施設で、屋外設備を除く総延べ床面積は約4万平方メートルを想定。今後、施設計画の詳細検討を進め、19年の着工、22年の竣工を目指す。

 NTCの構想案は、23日に札幌市中央区のニューオータニイン札幌で開かれた冬季オリンピック・パラリンピック競技団体連絡会議第3回アスリート部会で札幌市スポーツ局が示した。建設候補地は各競技施設とのアクセス性や利便性、周辺環境などを考慮して選定する予定。

 構想案によると、NTCは医科学施設(延べ約4000平方メートル)、競技別トレーニング施設(約1万3000平方メートル)、一般トレーニング施設(約5000平方メートル)、宿泊・サービス施設(約1万8000平方メートル)と、陸上トラックなどの屋外施設で構成する。

 医科学施設には体力測定室や生理化学・心理学実験室、診察・検査・カウンセリング室などの機能が入る。競技別トレーニング施設にはアイスリンク、カーリングシートなどの練習設備を設ける。一般トレーニング室は体育館やプール、会議室・ミーティング室などで構成。宿泊・サービス施設は500人程度の宿泊者を受け入れる規模とし、栄養指導食堂や大浴場などの共用設備も設ける。

 屋外施設には、夏季はクロスカントリー、冬季はランニングに利用する地下クロスカントリーコースや陸上トラック、多目的広場などを整備する。

 冬季版総合NTCは、東京都にある味の素NTCや国立スポーツ科学センターと連携してアスリートを育成する施設に位置付け、スポーツ医科学を取り入れたトレーニングや長期合宿などによる集中的・継続的なトレーニング拠点として整備する。

 札幌市が2026年の冬季オリンピック・パラリンピック招致に向けてまとめた五輪開催概要計画では、NTCを誘致し、冬季競技のトレーニング環境を充実させることなどを盛り込んでいる。

 ウインタースポーツのトレーニングに関する課題としては、▽夏季・冬季ともトレーニングできる環境が整備されていない▽大人数で長期間の合宿に対応できる宿泊施設がトレーニング施設に併設されていない▽障害者アスリートのトレーニング施設が充実していない▽科学的なトレーニングや研究を行う施設がない-ことなどが冬季競技のアスリートから挙がっている。冬季版総合NTCの整備により、これらの課題解決を目指す。

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