2017年1月10日火曜日

【スタジアム・アリーナやMICE施設など続々】九州地区、2017年注目プロジェクト

沖縄アリーナの完成イメージ
(提供:沖縄市)
 ◇スポーツ施設、国体にらみ佐賀・宮崎県が整備検討◇

 2巡目国体やラグビーワールドカップなど今後の大規模スポーツイベントに備え、大型スポーツ施設の計画が具体化している。佐賀県と宮崎県が国体開催のため県立の体育館などの建て替えを検討中。沖縄県はサッカーJリーグ1部(J1)規格のスタジアムの設計に17年度にも着手する。大分県の屋内スポーツ施設や沖縄県沖縄市の(仮称)多目的アリーナ施設が17年度の着工を予定している。

 佐賀県は23年の国体に備えた施設整備を検討している。有識者らの検討委員会からアリーナの新設検討や50メートルプールの屋内化を盛り込んだ提言を受けており、本年度末をめどに基本計画をまとめる。プレ国体の開催を考慮すると整備期間が限られているため、17年度に大幅な進ちょくが図られる可能性もありそうだ。

 26年開催予定の国体に対応するための施設整備を検討している宮崎県は、陸上競技場と体育館、プールの建て替えを検討中。陸上競技場は総面積8ヘクタール程度、体育館は延べ1万4000平方メートル程度、プールは飛び込みプールや観客席2500席を備えた施設を想定。3施設合計で最大360億円程度の事業費を見込む。

 沖縄県が那覇市の奥武山公園内に計画するJ1規格スタジアムは約2万5000人収容の施設。構想によると一括交付金を財源に17年度から2カ年で設計を進め、19年度の着工、21年度の完成、22年度の供用を目指す。

 17年度に着工する主な施設のうち大分県の屋内スポーツ施設(RC一部木・S造3階建て延べ1万6032平方メートル)は2月に入札を終え新年度早々の着工、19年4月の完成を予定。

 沖縄県沖縄市の多目的アリーナ施設(RC一部S造5階建て延べ約2万6200平方メートル)は16年度中にECI(アーリー・コントラクター・インボルブメント)の施工予定者と実施設計者を選定し17年度後半の着工、20年度の供用を目指す。

 このほか鹿児島県の三反園訓知事は公約に掲げる「3万人規模」のドーム球場構想の検討委員会を17年度に設置する方針で新年度の予算編成が注目される。

沖縄県が計画する大型MICE施設の完成イメージ
 ◇MICE施設、福岡・長崎市がPFI事業者選定◇

 九州・沖縄地区で計画されている公共施設のうち近年特徴的なものの一つがMICE(国際的なイベント)の受け入れ環境整備のための展示場などの施設だ。福岡市が第2期展示場、長崎市がMICE複合施設、沖縄県が大型MICE施設を計画。いずれもPFIなど民間活力を導入した整備手法を採用し、17年度に事業者を選定する。

 福岡市が博多港中央ふ頭地区(博多区)に計画する「第2期展示場」は展示面積約5000平方メートル、建物規模は延べ約1万平方メートル。大型立体駐車場を併設し、両施設はPFIのBTO(建設・移管・運営)方式で一括発注する。4月ごろに入札公告し10月ごろの落札者決定、21年の展示場開館を目指す。概算事業費は約94億円を見込む。

 長崎市の「MICE機能を中核とした複合施設」の建設地は尾上町の交流拠点用地約2・4ヘクタール。PFIのBTO方式を採用するMICE機能は約3000平方メートルのメインホール、約4000平方メートルの展示ホール、会議室などで構成。民設民営のホテルやオフィス、商業・飲食施設なども併設し、全体の建物規模は7万平方メートル超、投資額は370億円程度。17年度に事業者を公募・選定し21年11月の開業を目指す。

 沖縄県の大型MICE施設は西原町と与那原町にまたがるマリンタウン地区の約14・5ヘクタールに計画。MICE機能は九州・沖縄で計画中の施設では最大の延べ約7万2000平方メートル。約3万平方メートルの展示場や約7500平方メートルの多目的ホール、中小会議室20~30室などで構成する。DBO(設計・建設・運営)方式を採用し、概算整備費は約438億円。別途発注で大型駐車場なども計画している。入札手続き中で4月に落札決定し、20年9月の供用を目指す。

 これら以外にも熊本市が中央区桜町地区の第1種市街地再開発事業の再開発ビルの床を取得する形で固定2300席のメインホールなどを備えた(仮称)熊本城ホールを計画。再開発の事業主体となる熊本桜町再開発会社は近く再開発ビルに着工し、19年夏の完成を予定している。

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