北日本を中心とする各地で除雪作業を担う建設会社が奮闘している。
本州は例年より雪が少ない地域が多かったが、11日から今冬一番の強い寒気が流れ込んできた。青森県建設業協会の会長会社、鹿内組(青森市、鹿内雄二社長)の担当者は「大雪でも強風でも自主判断で契約に基づき路線を維持する」と意欲を見せる。
除雪シーズンが始まり、青森、秋田、山形などの各建協の会員会社は、気象庁が現在の寒波による暴風雪や大雪の情報を出して警戒を呼び掛ける前から除雪作業に備えて待機していた。これまでは降雪が少なかったが、「除雪の時期は毎日が臨戦態勢」と鹿内組の担当者。各地では自治体などとの契約に基づき、多くの建設会社が除雪作業に従事している。
全国建設業協会(全建)が16年8月にまとめた「除雪に係るアンケート調査」では、除雪作業を行える体制を「5年後には維持できなくなる」との回答が7割を占めた。作業員やオペレーターの高齢化が進む中で若い入職者が減少しているためだ。
除雪作業は、日中の交通に支障が出ないよう夜間に行われることが多いが、「住民から騒音や排雪のクレームが増えている」と窮状を訴える建設会社は少なくない。秋田県のように深夜の除雪への理解を住民に求める行政機関もあるが、担い手の確保と作業環境の課題は解決が難しく、発注機関に要望を提出する準備に入った協会もある。
「人命の保護を第一とした防災態勢の一層の強化を」-。
国の中央防災会議(会長・安倍晋三首相)は16年12月16日付で、本格的な降雪期に入ったのに伴い防災態勢を強化するよう全建に要請。大雪・暴風雪時の初動体制の確立や適切な道路管理とともに、高齢者・要配慮者の災害対策としての平時の情報収集、除雪支援などを求めた。
全建は傘下の都道府県建協に要請を周知すると同時に、対応を呼び掛けており、各協会、会員企業と共に冬の暮らしを守る活動を強化する。
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