「インフルエンザと診断されましたか」。この時期、幼児がひきつけ(熱性けいれん)を起こし、救急車の派遣要請があった場合、ある地域の消防司令センターの担当者は電話主にこう問い掛けるという▼日本外来小児科学会によると、急に熱が出た幼児のひきつけは数分で止まることが少なくない。インフルエンザの子のひきつけなら、消防指令は救急車を手配しつつも主治医への連絡を求め、連れていける場合は救急車の派遣を控えるそうだ▼理由は助かる命を救うため。この自治体が配置している救急車は25台。救急出動の要請は年間5・4万件あり、単純計算で1台が1日に約6回出動する。ただしその約6割は軽症者だという▼軽症かどうかはさておき、目の前の子どものひきつけに動転し、親が即119番する気持ちは理解できる。しかし同学会も数分のひきつけなら、止まってから主治医の指示を仰ぐことを推奨する▼「安心して下さい。救急車は向かっています」。非常時に救いの言葉を聞かせてもらえるよう、救急車の適正利用につながる知識を深めておきたい。まだまだ寒中。健康管理にも一段と気配りを。
0 comments :
コメントを投稿