2017年1月25日水曜日

【こちら人事部】竹中工務店-「建築への熱意と志」を重視

 ◇寮生活で縦横のつながり強める◇

 1610年に神社仏閣の造営を主業として創業して以来、建築専業でランドマークとなる数多くの建築物を手掛けてきた竹中工務店。「最良の作品を世に遺し、社会に貢献する」という経営理念の下、まちづくりを通してサステナブル社会の実現に貢献することを目指している。

 こうした建築活動を支えるのは優秀な人材。人事室能力開発部で採用を担当する古関康之さんは、求める人材像を「経営理念を体得し、活躍できる社員」と話す。採用に当たっては、▽誠実に人と向き合うこと▽先まで考える主体性▽ルールの中での創意工夫▽チームワークと情熱-の四つをキーワードに、建築への熱意と志を重視する。

 新入社員教育制度では、入社から1年間は大阪本店管轄の事業所で、OJT(職場内教育)とOFF-JT(集合教育)の両面での育成を行う。この間、新卒総合職全員が神戸市内の新入社員教育寮に入り、寮生活を送る。同期との相互研さんや、他人への思いやりや共感性を高めるのが目的だ。古関さんは「他社にはあまり例を見ない教育制度。同期と寝食を共にするため、絆が強まる。さらに新入社員一人一人に指導担当者が付いてマンツーマンのOJTを行うため、上下の関係性も強まり、タテとヨコのつながりが強い会社になる」と胸を張る。

 同社では「良い仕事が良い人を育て、良い人が良い仕事を生む」という基本的な考え方の下、社員の能力開発を継続的にサポートする独自の育成環境も整えている。1年目は2部門ないし3部門を1年間で経験するジョブローテーションシステム(職務転換制度)を導入。配属された部門では、実際に業務を担当しながら各部門の役割や部門間での業務の流れを自らの体験を通して学ぶ。

 1部門当たり4~6カ月という短い期間だが、複数の部門を経験するため、専門にとらわれることなく、可能な限り業務知識を拡大できる。「入社1年目にさまざまな業務を経験する中で、自分が竹中工務店でどのように活躍したいか考えることができる」(古関さん)。

 2年目以降は全国7本・支店に配属となり、各自が自分の専門性を確立することを目標に関連業務・関連知識を習得する。28歳ぐらいまでをめどに1~2回の職務転換を行い、個人の基礎能力を向上させる期間に位置付ける。

 就職活動は、その後の人生を決める重要なターニングポイント。古関さんは「さまざまなバックグランドを持った人たちと出会うことで多種多様な価値観に触れることが大事」と話し、ものづくりに関心のある熱意を持った多くの人材の来社を待っている。

 《新卒採用概要》

 【新卒採用者数】男性190人(うち技術系152人)、女性34人(31人)(16年度新卒総合職実績)
 
 【3年以内離職率】3・4%(13年度新卒総合職)

 【平均勤続年数】男性19・9年、女性17・9年(16年3月末時点)

 【平均年齢】44・4歳(15年12月末時点)

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