清水建設が型枠内へのコンクリート充てん状況をバイブレーターによる流動挙動評価を踏まえて事前予測する3次元(3D)シミュレーションシステムを開発した。同社が12年に開発した「高流動コンクリート充てんシミュレーションシステム」を改善。高密度配筋となる高架橋などの土木構造物に対して3Dシミュレーションを実施することで、より最適なコンクリート材料・配合や施工方法などの組み合わせを施工計画に反映させることが可能になる。
充てん状況の3Dイメージ |
解析結果については、動画処理された上で出力されるため、一目でバイブレーターによる締め固め効果を確認できる。コンクリートの材料や配合、打ち込み箇所、バイブレーターの挿入位置・時間を変えながらシミュレーションを重ねることで、コンクリートが確実に充てんされる施工計画を立案することが可能になる。
阪神大震災以降に改正された耐震基準により、土木構造物の耐久性・耐震性が向上したことで、配筋の高密度化が進んでいる。高密度化はコンクリートの充てんを阻害するため、バイブレーターによる締め固めをしっかりと行う必要がある。未充てんが懸念される場合は、実物大の配筋と型枠を部分的に作成し、バイブレーターをかけながら試験施工して充てん性を確認するが、コストと時間を要するのが課題だった。
今回開発したシステムは、コンクリートの流動特性を反映したモデルを構築でき、コンクリートが鉄筋の間を流動しながら型枠の隅々まで充てんされていく状況を再現することが可能。これらの機能を、高流動コンクリート充てんシミュレーションシステムと組み合わせることで、充てん状況を事前予測できるシステムにした。
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