2016年7月8日金曜日

【回転窓】真の仲間に成長

 「最初はみんなお互いに会話を交わすこともできなかったんですよ。それが今では…」。6月30日に第1期生の修了式が行われた職人育成塾の利根沼田テクノアカデミー(群馬県沼田市)で、訓練生たちに毎日の食事を用意した女性からそんな話を聞いた▼4月の開校から3カ月。全国から集まった訓練生たちは、過疎地の廃校を利用した研修所兼宿泊施設で寝食を共にした。所属会社も違えば、国籍も異なる若者たちが、「職人育成」という同じ土俵で厳しい訓練に耐え、互いの能力を高め合う真の仲間になっていった▼訓練生たちによる手作りの修了式を見て、その成長ぶりが伝わってきた。サプライズで用意された桑原敏彦校長へのお礼の言葉と胴上げ。来賓を含め多くの出席者の目に涙が浮かんでいた▼修了式後、名残を惜しみつつ、それぞれが所属する企業に帰っていったが、インターネットやメールなどでこれからもつながっていく方法はいくらでもある。時には直接会って近況報告し、互いに励まし合う関係が続いていくことを願う▼それが各地で動き始めた職人育成を持続させる原動力となるだろう。

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