政府内で経済対策の取りまとめが急ピッチで進んでいる。12年12月の安倍政権発足時から「3本の矢」(金融緩和、財政政策、成長戦略)を放って取り組んできた経済政策。この恩恵を地域に行き渡らせる「ローカルアベノミクス」が焦点だ▼先の参院選を通じて聞こえてきた地域の厳しい声をいかに反映させるかが問われる。首相が繰り返し言及しているリニア中央新幹線。財政投融資を活用した開業の大幅前倒しは、21世紀型インフラの象徴で、整備新幹線の建設加速と合わせた「地方創生回廊」の構築が、持続的な経済成長を後押しすることになる▼ただ、今回の対策での期待は、政府が直接支出する「真水」。適正な利潤の確保をうたった改正公共工事品質確保促進法に基づく施策の効果を高めるためにも、地域を支える建設業者が持続するに足るだけの事業量を確保することが不可欠だ▼人手不足を理由に公共事業費の上積みに懐疑的な意見も一部にあるが、むしろ地域の建設業界には施工余力があるのが現状だ▼群馬県建設業協会が主張する「限界工事量」の概念は、それを示す分かりやすい指標となる。
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