九州から東海にかけて、梅雨明けが発表された。例年だと待ち遠しい梅雨明け。だが、今年の関東地方はそうも言っていられない▼首都圏の水源の一つである利根川上流域では、降水量が平年を大きく下回る事態が続いている。水がめとなるダム群のうち、最も大きな矢木沢ダムでは、貯水率が約3割に落ち込んだままだ▼「今年は渇水ですが、お宅の備えは大丈夫ですか?」。買い物をしていた大型スーパーで、こんなアナウンスが流れていた。常備水を買ってもらおうという戦略もあろうが、水不足への備えを啓発することはとても大切▼利根川水系では、上流で蓄積した水を、武蔵水路などで導水しながら相互に融通し合い、首都圏の暮らしと経済を支えている。だが、そのありがたみは、なかなか浸透していない。危機的な事態が起こってから身に染みるようでは遅過ぎる▼8月1日は40回目となる「水の日」。渇水時に大地震が起きたらどうなるのか-。水道管が復旧できたとしても、流せる水が不足していたら、人々に水は行き渡らない。災害が頻発する時代だからこそ、あらためて考える機会としたい。
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