マグロの養殖を成功させた近畿大学が、水とエサに工夫を重ねてうなぎ味のナマズを開発した。うなぎの代替品はあす土用の丑の日、大手スーパーにかば焼きとして並ぶという▼キャッチコピーは「近大発のパチもんでんねん」。ずばりパチもん(偽物)とうたうコピーは大阪人のユーモアだろうか。あえて卑下するところに味への自信もうかがえる▼土用の丑の日にうなぎを食べるようになったのは、江戸時代の発明家・平賀源内の発案がきっかけというのが有力な説とされる。夏場に売れ行きが落ちるうなぎ屋が源内に相談したところ、「本日土用の丑、鰻(うなぎ)食うべし」と貼り紙を出させたそうだ▼丑の日に「う」で始まる梅干しやウリ、うどんなどを食べると夏バテしないともいわれる。源内が出させた貼り紙は、うなぎの販促にこれをうまく利用したものといえるだろう。現代のうなぎ屋も、あすは「本日土用の丑」の貼り紙が出て、客であふれ返る。源内の名コピーに感謝すべきだろう▼商品の魅力はキャッチコピーにも大きく左右される。記事を扱う新聞も見出しや見せ方で見習うべきところがありそうだ。
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