政府は27日、スポーツで使う大規模集客型のスタジアム・アリーナをより「稼げる施設」へと変革させる戦略を話し合う官民協議会を立ち上げた。
鈴木大地スポーツ庁長官をトップに、田村明比古観光庁長官や栗田卓也国土交通省都市局長らが参加。欧米のようにスポーツ施設を街のにぎわい拠点として発展させられるよう、まず年内に新築・改築設計段階でスポーツ以外の多目的利用や最寄りの公共交通機関からの近さといった「稼げる視点」に配慮した施設整備指針を作る。
発足したのは「スタジアム・アリーナ推進官民連携協議会」。8月以降、▽施設整備指針の策定▽資金調達手法▽整備計画の策定支援体制-の3項目の課題別に詳細な検討を行うワーキンググループ(WG)を順次発足させる。
施設整備指針の策定作業を進めるWGは、会員または意見聴取対象の外部有識者の立場で、建設会社や設計会社、デベロッパーなどの参加を予定。まず今秋に案を作る。
スポーツ庁によると、プロ野球やサッカーJリーグで常用されているスタジアムは1回の試合だけで数万人規模の観客を呼び込める一方、国内にある大半のスポーツ施設は稼働率が低い。
その背景には、施設の多くを所有・管理している自治体が観客に配慮した設計やサービスをあまり意識してこなかったことがある。
政府は、昨年10月に竣工したJリーグ・ガンバ大阪の「市立吹田サッカースタジアム」を成功例の一つに位置付け、官民連携での円滑な建設資金調達や、試合前後も楽しめる民間商業施設の併設などを普及させていきたい考えだ。
日本政策投資銀行などの試算では、今後約20年でスタジアム・アリーナの新築・改築需要は2兆円超に上る。
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