働く目的は「楽しい生活をしたい>自分の能力を試すため」。日本生産性本部らが実施した48回目の新入社員意識調査(16年度版)で、働く目的を聞いたところ、「楽しい生活をしたい」との割合が過去最高の41・7%となり、「自分の能力を試すため」は過去最低の12・4%になった。「どのポストまで昇進したいか」という問いには、17・8%が「専門職(スペシャリスト)」を選択。男性は24・1%の「部長」、女性は22・3%の「専門職」が最も多かった。
06年度調査で17・8%が答えた「社長」は10・8%(男性15・9%、女性2・8%)に。「役職につきたくない+どうでもよい」という回答が29・6%あった。同本部はポストに対する意識について、「女性の昇進意識が高まる一方で、(ポストに関心を持たない層との)二極化傾向が見られる」と分析している。
この調査は1969年以降、毎年実施している。春入社の新入社員を対象に就労意識をほぼ同一の質問項目で調査。今回は3~4月に実施し、同本部の16年度新社会人研修村に参加した1286人(男性788人、女性497人、性別無回答1人)から回答を得た。
返済負担の重さが注目されつつある、学生時代の奨学金について、全体で31・6%、短大卒で41・3%、四大卒で35・7%、院卒では34・3%が「利子付きで返済する奨学金を利用した」と回答した。返済義務のある奨学金利用者の68・6%が「負担に感じる」と答えた。利子なし・返済義務あり奨学金の利用率は5・2%、返済義務なし奨学金の利用率は1・9%と、いずれも少数派だった。
社会人としての働き方は「人並みで十分」が過去最高を更新し58・3%に。大卒求人倍率が小さくなり就活戦線が厳しくなると「人並み以上」という回答割合が高くなる傾向があり、同本部は就職活動が比較的順調だったことが、働き方の意識に表れていると見ている。
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