水シャンで建設現場の熱中症を予防-。三和建設(大阪市淀川区、森本尚孝社長)は、休憩中の社員や作業員が水でシャンプーすることを奨励するユニークな取り組みを始めた。
長時間のヘルメット着用による汗や蒸れは髪や頭皮への負担となるため、一部の現場事務所にシャンプーを設置。頭を洗ってリフレッシュしてもらうことで、熱中症を予防すると同時に、モチベーションや生産性の向上につながるとみている。
同社は、日用品大手ユニリーバ・ジャパンが提唱する「着帽手当」を6月に導入した。企業が帽子やヘルメットをかぶって働く社員に頭皮ケアシャンプーを支給する制度で、同社は建設現場に従事する社員と作業員にシャンプーを支給している。一部の現場事務所では共用のシャンプーを設置し、昼間の休憩時間に水でシャンプーすることも奨励している。
夏場の建設現場は過酷な状況にさらされ、熱中症による業種別の死傷者数は建設業が最も多い。帽子内は運動後30分で熱帯雨林レベルの不快環境になるとも言われ、長時間のヘルメット着用は髪や頭皮への負担となり、パフォーマンスの低下にもつながる。
同社はほかにもさまざまな熱中症対策を現場に導入している。熱中症予防には水分補給だけでなく、適切な塩分補給が必要となるため、塩タブレットと干し梅を配布。作業服の中に風を送り込むための小型ファンが付いた空調服を現場に従事する社員全員に支給している。ミスト扇風機やかき氷機も導入しているほか、現場の新規入場者には首元を冷やすサマースカーフやネックシェード、氷結シートを提供している。
同社は、社員の働きやすさの向上を図り、社員が誇りを持てる企業づくりを積極的に展開しており、民間の調査機関が実施している「日本における働きがいのある会社」ランキングで、15~16年の2年連続でベストカンパニーの1社に選出されている。
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