仙台空港が、国管理の空港として初めて民営化された。民間のノウハウを生かした集客や、空港を核とした地域活性化に弾みがつきそうだ。訪日外国人客増加への突破口としても期待は大きい▼東北地方には、新鮮な海の幸や山の恵みに加え、独自の風土・文化などたくさんの魅力がある。民営化に合わせる形で海外LCC(格安航空会社)の就航も始まった。交流人口の増加は、東日本大震災からの復興を進める上でも重要だ▼今年の訪日外国人客数は前年より1カ月以上早く1000万人を突破した。そんな明るい話題の一方で、英国の欧州連合(EU)離脱などを背景とした円高という不安要素も。為替相場次第では日本観光が割高となりかねない▼ただ、本来呼び込みたいのは、安さを求める客より「お金をかけてもよいから日本の魅力に触れたい」と思う人。それには長期戦略に基づくブランディングやハード・ソフト施策の多角的な展開が不可欠。そうした面からも民営化は大きな力になり得よう▼高松や福岡など空港民営化の波は今後も続きそうだ。後続のためにも東北の挑戦が大きく花開いてほしい。
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