応急危険度判定は震災直後の住民の安全確保に大事な役割を果たす (熊本県益城町、撮影日:4月20日) |
国土交通省がまとめた20日午前11時時点の災害情報によると、被災建築物の応急危険度判定を熊本県益城町で1518件、熊本市で219件実施。15日に開始した判定業務には延べ260人の判定士が参加した。
熊本県では益城町、熊本市に続き、西原村での判定業務を計画している。広域のエリアを早期に実施するため判定士を増員。近畿・中国・四国地域の行政職員を約70人確保したほか、民間の判定士にも協力を求めている。
日本建築士会連合会(士会連合会、三井所清典会長)は熊本県建築士会の会員を中心に判定士を派遣し、行政職員と共に業務に従事している。今後も県の要請に応えていくため、近畿・中国・四国地域の各建築士会に派遣できる判定士を把握。組織力を生かし、判定業務に迅速に動ける体制づくりを進める。
応急危険度判定の次のステップとして、被災度区分判定・復旧業務に移る。日本建築士事務所協会連合会(日事連、大内達史会長)は被災度区分判定を行う技術者を養成する講習会を前倒しで実施する。熊本では15年度改訂版のテキストを用いた講習会を6月末に予定していたが、5月18日に繰り上げ、定員数も増やす。大分でも前倒し開催する。技術者を早期に増やし、今後需要増が見込まれる被災度区分判定・復旧業務に備える。
日本建築家協会(JIA、芦原太郎会長)は福岡地域会で被災地の支援体制を整えつつある。士会連合会、日事連の建築設計3団体として連携した災害対策活動が展開できるよう調整していきたい考えだ。
国交省はプレハブ建築協会(プレ協、樋口武男会長)に応急仮設住宅の要請に速やかに対応できるよう準備を求めた。プレ協ではこれまでも会員企業の協力を得て、災害時に応急仮設住宅を供給してきた。蓄積したノウハウや経験を生かし、今回も自治体の要請に迅速対応する方針。建設地が確保され必要戸数が固まれば、現段階で2900戸を供給する能力を確保しているという。
0 comments :
コメントを投稿