日本スポーツ振興センター(JSC)は6日、全国の地方自治体が計画する競技施設などの整備を支援するため、16年度中に運用を開始する新たな助成制度案を明らかにした。
サッカーJリーグの運営拠点になる施設の整備費のうち、助成対象経費の4分の3(限度額15億円)を負担する。2019年ラグビーワールドカップ(W杯)日本大会と20年東京五輪開催に備え、競技施設の新設・改修、キャンプ地の整備にも助成金を支給する。
◇ラグビーW杯や東京五輪も視野、新助成制度創設◇
Jリーグのクラブチームのホームスタジアム整備を対象にした従来の助成制度を拡充し、ホームスタジアムでなくてもJリーグの運営に寄与する拠点施設であれば支援を行うことにした。財源には、スポーツ振興くじ(toto)の収益などから15億円を充てる。1件当たりの助成金の支給期間は最大3カ年、支給金額は最大15億円。
JSCによると、福島県などが計画するサッカーのナショナルトレーニングセンター「Jヴィレッジ」の再整備を対象事業の一つに想定している。
ラグビーW杯と東京五輪で使用する競技施設の新設、改修・改造を行う自治体に対しては、助成対象経費の4分の3を補助。確保する助成金の総額は各大会で30億円ずつ、1件当たりの上限は新設で15億円、改修・改造で12億円とする。支給期間は最大3カ年。
出場選手のキャンプ地の施設整備でも自治体を支援するため、別途財源を確保する。支給する助成金の割合は競技施設の新設・改修の場合と同じだが、1件当たりの上限は1億50百万円に設定する。対象は、築20年以上が経過しているスポーツ施設の改修・改造の計画(助成対象経費3000万円超)に限る。支給期間は最大2カ年。
北九州市で建設している新スタジアムの完成イメージ |
全国のスポーツ団体などが行う施設整備やクラブ活動などを支援する「スポーツ振興くじ(toto)助成金」の16年度配分額も決まった。申請があった2295件の事業に過去最高の計221億1676万1000円を配分する。主な支給区分のうち、前年度比29・5%増と配分額の上昇要因となった「地域スポーツ施設整備」では284件に71億9806万円、「Jリーグホームスタジアム等整備」では1件(北九州市)に30億円をそれぞれ振り分ける。
地域スポーツ施設整備の助成金71億円のうち、39億4242万円をクラブハウス整備(2件)とグラウンド芝生化(117件)を除いたスポーツ施設整備(165件)に充てる。2020年東京五輪に関連した「大規模競技場機能補完施設整備」には10億5000万円(1件)を配分する。
JSCはtoto助成金のほか、アスリートの育成などを後押しする「スポーツ振興基金助成金」に13億9885万円(176件)、スポーツ団体のトップリーグ運営を支援する「競技強化支援事業助成金」に2億9500万円を配分することも決定。スポーツ振興事業を対する助成金の16年度の総額は238億1061万1000円となり、総額も過去最高を更新した。
0 comments :
コメントを投稿