次代を担う人材の確保・育成は国が発展を続けるための重要課題の一つ。建設産業に限らず、少子化の影響で育成前の採用が滞り、人員確保に頭を悩ます企業は少なくない▼学校も同じ。最近は定員割れに危機感を募らせる大学が多く、学生確保で学校間の競争が激しさを増している。その一方で、知識編重や「一発勝負」の試験制度を改め、多様な人材をすくい上げるための入試のあり方も問われている▼文部科学省の有識者会議が先月まとめた大学入試改革の最終報告では、現在のセンター試験に代わる「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」を20年度に始める。新テストには記述式問題を取り入れ、マークシート問題でも式やグラフを作成させるなどの思考力や表現力を測ることに重点を置く▼東京大学では今春の入学者選抜から推薦入試を導入した。学力だけで画一的に選ぶのではなく、各自の個性や資質にも目を向ける。学生の多様化によって学内の活性化を図り、国際競争力を高める狙いも▼卒業後の受け皿である企業では新入社員の研修が本格化。若い力で社会・経済が活気づくことを期待したい。
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