「担い手3法」の国会審議で第一関門となった参院国土交通委員会が開かれたのは、2年前の14年4月3日▼論戦の中で当時の太田昭宏国土交通相は「優秀で努力家の女性を活用することは重要」と指摘。建設業で女性の活躍を促進する方策を打ち出すと表明した▼その直後に女性活躍をめぐる業界団体とのトップ会談に臨み、8月には官民共同で「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」を策定。計画に沿って女性技術者を登用するモデル工事をはじめ、さまざまな取り組みが進展しているのは、読者の皆さんもご承知の通り▼「1億総活躍」の掛け声の下、政府が先日、公共調達の分野で女性が活躍する企業を加点評価しようという方針を打ち出した。女性活躍という世界の潮流に乗り遅れてはいけないという危機感は理解できるが、公共調達の本筋からすると、これには少し首をかしげたくなる▼重要なのは、女性の活躍を特別視しないということではないのか。国交省のある女性担当者は、自身の経験などから「普通の女性も活躍できる業界ということを広く伝えることが重要では」と話す。説得力がある。
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