日本全国、災害に対して絶対に安全という場所はあり得ない。そんな現実をあらためて思い知らされる九州の大地震である。まずは被害に遭われた方にお見舞い申し上げたい▼首都直下や南海トラフの大地震予測はしばしば大きな話題になるが、九州の内陸でこれほどの大地震が起きる可能性は指摘されてきたのだろうか。専門家同士の間ではともかく、一般の目に触れるメディアなどで話題になったことはあるのか。寡聞にして聞かない▼地震が一向に収まらず、しかも震源が中央構造線の方にも動いているという不気味さである。「経験則から外れている。今後どうなるか分からない」と気象庁もさじを投げたところを見ると、人知の及ぶ範囲などその程度と諦めるほかないのかもしれない▼新潟や東北など過去の大地震でも目立ったことだが、地方の地震被災地には土砂崩れに孤立、高齢者の犠牲など大都市にはない悲惨さがある。若者が減り高齢化と過疎化が進む地域に、災害は最後のとどめを刺すことにもなりかねない▼防災・減災はもちろん、地域の衰退をまず何とかしなければ。それを痛感させられる。
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