1日の乗降客数が350万人を超える東京の新宿駅。複数の路線が乗り入れ、構内が複雑に入り組んでいるだけに、乗り換え場所などを尋ねている人をよく見かける▼迷う人が多い原因には、駅の構造だけでなく、標識の表示内容のばらつきがある。京王新線の表記は「New Line」と「Shinsen」の2種類があり、外国人には分かりづらい▼最近は東京五輪を控えて各種標識を見直す動きも。国土地理院は3月末に外国人向けの地図記号15種類を指定した。国際観光施設協会はホテル・旅館の外国人客に災害時の避難方法を伝える避難絵図をまとめている▼両者に共通するのは外国人にもなじみのあるモチーフを使い、イメージが湧きやすいよう配慮した点だ。国土地理院のホテルの標識はベッドで眠る人の姿で表現している。どう普及させるかが次の課題だ▼訪日客が増えている今、彼らが安全で快適に過ごせる環境づくりは急務。新宿駅では、都と鉄道事業者らが構内の標識の表示内容を統一し、17年までに付け替えるそうだ。「おもてなしの心」は何も五輪だけに合わせて行われるものではない。
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