2016年4月11日月曜日

【回転窓】早期離職者を止めるには

毎年この時期になると、通勤電車が混雑する。スーツ姿の若者の団体を車内で見かけるので、新入社員研修などで一時的に通勤者が増えているのだろう▼今春、大学や高校などを卒業して社会人となったのは約77万人。雇用環境は改善していると言われるが、厳しい就職戦線を勝ち抜いて正規社員になったのだから、新入社員には仕事の面白さが分かるまで、頑張ってもらいたいものである▼やっとの思いで社員になったにもかかわらず、すぐに離職してしまう若者が多い。厚生労働省の調査によると、新規学卒者が入社3年以内に離職する割合は12年卒で大卒が32・3%、短大卒が41・5%、高卒が40・0%、中卒が65・3%にも上る▼離職理由の上位にあるのが「想像していた仕事内容と異なっていた」という仕事のミスマッチ。建設業界も企業で就職体験する「インターンシップ」制度や、学生向けの「出前講座」などで、建設業の仕事を事前に知ってもらう活動を展開中だ▼ただ、それだけでは若年労働者の定着は難しい。休日の確保や給与面の改善など、他産業に負けない雇用環境づくりがやはり欠かせない。

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