新しいことを始めたり、未知の世界に足を踏み入れたりするのは誰もが通る道。進学や就職が重なる4月はこうした経験をする方も多かろう。学生生活を終えて社会人になった人は入社から10日余りがたち、少し疲れが出始めるころかもしれない▼日本生産性本部が発表した今春就職した新入社員の特徴は「ドローン型」。昨年は「消せるボールペン型」で、一昨年は「自動ブレーキ型」だった。便利で進化が著しい新技術や新製品も使う人の技量次第。進むべき道を指し示す上司や先輩の役割が大切なのだろう▼二回りほど年齢が下の新人記者を見て、わが駆け出し時代はどうだったかと考えてみた。大学卒業と同時にバブルが崩壊し、暗い話題が多かった。右も左も分からずに飛び込んだ報道という世界▼口うるさい先輩記者に心の中で悪態をつきながら毎日悪戦苦闘していた。記者という職業の楽しさややりがいを教えてくれたのは、取材先の方々だった▼「新人は慎重にも慎重を期して、分からないことは分からないと伝えなさい」。ある会社の役員に言われた言葉は、20年たった今でも胸の奥に残っている。
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