安藤ハザマが奉納協賛する第35回「明治神宮薪能」が10日、東京都渋谷区の明治神宮で行われた。拝殿前の特設舞台で、素謡「翁」、狂言「二人袴(ばかま)」、能「鞍馬天狗」を上演。かがり火のたかれた荘厳な雰囲気の中、約2000人の観客が名人の芸に酔いしれた。
増田正造武蔵野大名誉教授が演目を解説した後、東京国立博物館の佐藤禎一名誉館長と安藤ハザマの小野俊雄代表取締役会長が薪に火を入れ、舞台が始まった。
山本東次郎がシテを務めた二人袴は、過保護の父親が息子と一緒に結婚相手の親へあいさつに行く話。袴の用意が一つしかなく、部屋の前で交代で着用し1人ずつ出て行くが、2人一緒に入ってきてほしいと言われ、次々と策を繰り出す親子のドタバタが観客の笑いを誘った。
金春安明がシテを演じた鞍馬天狗は、源義経の幼少時代・牛若丸が天狗に兵法を習ったとされる伝説が題材。鞍馬山の大天狗と牛若丸との師弟の絆を中心に、謡や所作など情趣に富んだ多彩な場面が展開された。
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