◇民間収益施設の・誘致・整備を後押し◇
国土交通省は、都市部にある緑地空間の保全や整備に民間の資金やノウハウを積極活用する。
来年の通常国会に「都市緑化3法」(都市公園法、都市緑地法、生産緑地法)の一括改正案を提出。地方自治体が管理する都市公園で民間事業者が収益施設と緑地や広場などを一体的に整備する制度を創設する。公園のような公開緑地を民間事業者に整備してもらう制度も設ける。
都市公園法の改正では、全国に約10万カ所ある都市公園(総面積約12万ヘクタール)を対象に、民間の資金とノウハウを最大限に活用してカフェや売店などの収益施設の設置・管理を行う制度を導入する。17年度から「Park-PFI」事業と銘打って推進する。
公園を管理する自治体が、収益施設を設置・管理する民間事業者を公募方式で選ぶ制度を創設。民間事業者が収益施設と併せて公園内の芝生や多目的広場の整備、植樹などを行うことを条件に、通常は最長10年とされている収益施設の設置期限を20~30年程度へと延ばす。整備費に国が無利子融資を行う新たな支援制度も設ける。
都市緑地法の改正では、現行法で市町村主体で行うことが原則になっている公園のような公開緑地の整備に民間資金を導入する。市町村が民間主体の事業を認定する「市民公開緑地」制度を17年度に創設。新制度で公園緑地を整備する民間事業者に対し、国と自治体が財政・税制両面で手厚い支援措置を講じる。
市民公開緑地は都市公園法の「街区公園」と同様の公園を想定。原則として居住地から250メートル圏内に配置し、1カ所当たり2500平方メートルの広さを確保する。
生産緑地法の改正では、現行法で「生産緑地地区」に指定されている都市農地の保全対象範囲を17年度から拡大する。現在は生産緑地地区の一部を廃止して道路などの公共施設を建設する際、500平方メートル以下の小規模な農地は事実上廃止することが規定されているが、緑地保全と都市農業の振興を両立させるため、面積要件を撤廃または大幅に引き下げる。
第4次社会資本整備重点計画(15~20年度)では、都市の緑地空間確保を重点施策に掲げている。「都市域における水と緑の公的空間確保量」を指標とし、20年度時点で1人当たり14・1平方メートル(12年度12・8平方メートル)とする目標を設定している。国交省は、民間の資金とノウハウを積極的に導入することで目標の達成を目指す。
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