2020年東京五輪で柔道の競技会場となる日本武道館(東京都千代田区北の丸公園2の3)で、施設機能の拡張に向けた検討が本格化している。
館内にはメインの大道場のほかに練習施設が一つしかなく、参加する選手の人数に対応できないことから、新たに本館南側の敷地に「中道場(仮称)」を整備する計画。本館側とは地下通路で連結し、移動の円滑化を図る。
老朽化が進む本館の大屋根の改修なども並行して進め、20年6月をめどに新たな武道館が完成する見通しだ。
武道館の拡張計画は、公益財団法人の日本武道館と東京大会の組織委員会、都の3者間で協議・検討が進められている。
現在の建物は1964年に完成し、同年に開かれた東京五輪でも柔道の競技会場となった。20年の東京五輪の参加選手数は前回の約5倍に増えると予想されており、現在の施設では大会運営に支障を来すと判断。新たに中道場を整備し、練習専用施設とする方向で検討している。
中道場には現在の約4倍の広さの練習場が整備されるほか、ドーピング検査室なども設けるという。施設計画の詳細、役割・費用分担などの事業スキームについては今後詰めるが、中道場の新設工事には18年に着手する見通し。本館は19年9月から休館し、大屋根などの改修工事に取り掛かる予定だ。
現在の武道館の建物は地下2階地上3階建て延べ2万1133平方メートル(建築面積8132平方メートル)の規模。固定席が1階に3199席、2、3階に計7846席あり、アリーナ席(仮設)は最大2946席。周辺部を含めた敷地使用面積は1万2625平方メートル。
武道館の関係者は「五輪・パラリンピックの成功、障害者にも使いやすい施設のバリアフリー化、将来の財産となるレガシー化といった三つの目標に向けて計画を進める」と話している。
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