余震が起き、娘をきつく抱きしめた母親がうずくまる。21日午後に鳥取県を中心に発生した地震のニュース映像を見て、地震が構造物だけでなく人の心も深く傷付けるのだとあらためて感じた▼地震直後、国土交通省中国地方整備局や全国建設業協会(全建)傘下の地方協会の対応は早かった。いずれも幹部が岡山市内で地域懇談会に臨んでいたが、震源や震度が明らかになるや、整備局の一行は会場を離れ、協会幹部も被害確認などを開始した▼危機対応を担う機関としては当然だろうが、緊迫したやり取りや、携帯電話を片手に駆け出す姿に危機対応力の高さがうかがえた。避難者も少なくない。一日も早い復旧・復興を願うばかりだ▼「住民の生命と財産が守れなくなってもいいのか」。各地の懇談会で地域建設業者からそうした指摘が相次いでいる。地域・企業間で工事量の格差が顕在化し、災害対応に欠かせない最低限の人員や重機の維持に必要な受注量を下回るとみる会員は多い▼地域建設業者の役割をそれぞれの地域の中に明確に位置付ける必要がある。地域から建設業者がいなくなってからでは遅い。
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