2016年10月5日水曜日

【北海道と岩手県でトンネル貫通式】三陸沿岸道路・45号新鍬台トンネルと北海道横断道・第二天神トンネル


 ◇完成予定は17年3月、前田建設が施工◇

 東北地方整備局が建設を進めている三陸沿岸道路で最長となる「新鍬台トンネル」(仮称、延長3330メートル)の貫通式が3日、現地で行われた。

 14年8月に大船渡側の坑口付近で切り土など準備工事に着手し、昨年3月には反対の釜石側からも掘削を開始した。

 両側から1日当たり6~10メートル程度の速さで発破掘削を進め、今年1月には月間の掘進距離で過去最長の232・5メートルを達成した。今後舗装などの仕上げを行い、17年3月の完成を目指す。

 新鍬台トンネルは被災地復興を早める役割が期待される「吉浜釜石道路」の一部を構成する道路トンネル。本坑の延長は3330メートル、幅員は12メートル、内空断面積94・9平方メートル。避難坑は延長3362メートル。本体と避難坑を両側から掘り進める計画で、1日当たり100人前後が作業に従事した。最盛期には80台程度のダンプ車を稼働した。

 施工を担う前田建設は、長大トンネルを円滑に掘り進めるため、コンピューター制御の新型ジャンボを駆使したせん孔や、電子雷管による発破など複数の独自技術を採用し、高速施工を実現。大船渡側の掘削工事で今年1月16日~2月15日に過去最長となる月間掘削距離を記録した。

 東北整備局南三陸国道事務所が「国道45号新鍬台トンネル工事」(工期=14年2月6日~17年3月3日)として同社に発注した。

 トンネル工事では、長大トンネルの整備に必要な資材を十分に供給するため、建設に用いる生コンの製造・供給に特化した直轄プラントを設営した。プラントの設置・運営も前田建設が手掛けた。

 ◇第二天神トンネル、戸田建設施工で17年12月竣工めざす◇

 東日本高速道路が北海道小樽市で建設を進めている「北海道横断自動車道第二天神トンネル」が3日に貫通した。同日に現地で記念式典が開かれ、工事関係者や来賓など約140人が参加して貫通を祝った。施工は戸田建設が担当。17年12月の竣工を予定している。

 北海道横断自動車道の余市インターチェンジ(IC)~小樽ジャンクション(JCT)(いずれも仮称)間で建設中の7本のトンネルのうち、第二天神トンネルは6本目の貫通となる。7本目となる天狗山トンネルも年内に貫通する予定だ。

 式典には発注者である東日本高速道路北海道支社の三井康洋道路事業部長、北海道開発局小樽開発建設部小樽道路事務所の河上聖典所長、北海道後志総合振興局小樽建設管理部の中條悟事業課長、小樽市総務部新幹線・高速道路推進室の西島圭二室長、戸田建設の山田裕之執行役員土木工事統括部長らが出席した。式典では地元の小学生によるくす玉開披や鏡開きなどでトンネルの貫通を祝った。

 工事場所は北海道小樽市奥沢5丁目~朝里川温泉1丁目。北海道横断道の小樽JCT~余市IC間に延長2872メートルの第二天神トンネルを建設する。工事概算数量は施工延長3715メートル、土工12万立方メートル、C-BOX1基、橋梁の橋台2基。

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