森記念財団都市戦略研究所(所長・竹中平蔵慶大教授)は18日、世界42都市を対象とした16年版の都市総合力ランキングを発表した。
東京の順位は調査開始9年目にして初めて3位に上昇した。海外からの訪問者数の増加、円安による相対的な物価水準・住宅平均賃料の低下、羽田空港の国際化などで評価を高め、昨年11月の同時多発テロによるマイナス影響が大きかったパリを抜いた。
それ以外の上位5都市の順位には変動が無かった。欧州連合(EU)離脱の影響が懸念されているロンドンだが、文化・交流分野に圧倒的な強みを発揮し、2位以下を大きく引き離して5年連続の1位となった。2位のニューヨークは現状を維持。5位のシンガポールは国内総生産(GDP)成長率の落ち込みなど経済分野で停滞の兆しが見られるため、評価を落とした。
竹中所長は「将来の東京の可能性を感じさせる結果となった」と評価。一方、「70の指標を分析すると今後の課題も見えてくる」と指摘し、為替変動など外的な要因が順位を引き上げたことも踏まえ、「これを出発点に改革をさらに進める必要がある」と強調した。
同財団理事の市川宏雄明治大公共政策大学院ガバナンス研究科長・教授は「ロンドンと差があるのは、文化・交流分野と交通・アクセス分野。ただ、2020年東京五輪に向かってどちらも改善する兆しがある」と話し、弱点の克服がさらなる順位向上に不可欠との認識を示した。
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