昨年11月から本紙最終面で月1回掲載している企画「技能教育リポート」。建設産業の人材育成活動を取材し、これまでに電工、塗装、建築大工と三つの職種を対象にした訓練校を紹介した▼半世紀以上の実績を持つ伝統ある取り組みで、ベテラン職人が経験で培ったプロの技を若い人材に教え込んでいる。組織形態はまちまちだが、各訓練校を巣立った人材は千人規模で、学んだ知識や技能を生かして各地で活躍する▼こうした伝統ある訓練校が存在する一方、教育の仕組みがない地域も少なくない。活動3年目の建設産業担い手確保・育成コンソーシアム(事務局・建設業振興基金)は、どの地域でも技能教育が受けられる仕組みの構築を目指している▼その中から率先して職人を育成する新たな動きも出てきた。重要なのは活動の定着。それには技術革新を取り込む手もある。プロの技をクラウド化し、いつでもどこでも学べる環境を構築する。これにより時間や距離の制約といった問題が解消できる▼「生産性革命前進の年」(石井啓一国土交通相)となる今年。最新技術で技能教育にも革命が起きることを期待したい。
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