2017年2月27日月曜日

【回転窓】観光列車人気の背景は

JR九州が新しい観光列車の「かわせみ やませみ」の運行を3月4日に始める。鹿児島本線・肥薩線の熊本~人吉間を1日3往復する。車両の外観とインテリア、車内販売を通じて沿線の人吉・球磨地方の魅力を伝えるのが狙いという▼そのデザインは、人気の豪華寝台列車「ななつ星」などを担当した水戸岡鋭治氏。地元産の資材を内装に使い、地域の人々の意見も反映させた。熊本地震の復興にもつながるよう期待を寄せていると聞いた▼特別な空間や食事といった非日常を体験できる観光列車が各地で好評な理由の一つには、苦痛すら感じる都市部の鉄道事情もあるように思う。東京近郊だと、ピーク時の混雑率が180%(無理をすれば新聞が読める)以上の路線が2桁近くある▼「満員電車ゼロ」を公約に掲げた小池百合子知事の肝いりで、東京都が「快適通勤」を目指す取り組みを始動させた。鉄道事業者や民間企業と連携した仕掛けを打ち出そうと試みている▼穏やかに通勤し、早い退社と時間休を促すプレミアムフライデーにさっと仕事を終え、夕方から観光列車に乗り込む。そんな日常の到来を期待したい。

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