2015年7月9日木曜日

【回転窓】防災体制と投入コスト

 よく行く居酒屋がある。1割引のクーポン券が使えるというのが理由なのだが、このお店に行く際には座る席に注意しなければならない▼店員が少ないため、奥まった場所に座ってしまうと、なかなか注文を取ってもらえないのだ。遠くから何度も「すいませーん」と叫ぶことになり、いらいらが募ることも▼とは言え、もともとリーズナブルな上に、さらに割引までしてもらっている。一生懸命に動き回る店員を見ると、あまり強くも言えず、仕方ないとあきらめる。低価格志向が強まる中で、少人数で切り盛りする店が増えているのだろう▼防災対策にも似ている面がある。例えば、注目を浴びている火山。「仕事の範囲と責任は大きくなっているのに、人員と予算は増えない」。国の関係者がそう嘆いていた。直轄の砂防施設がない地域にもかかわらず、火山対策の会議で国が前面に出ざるを得ないケースもあるという▼居酒屋の注文は少々待っても構わないが、国民の命にかかわる部分はそうも言ってはいられない。即応が求められるからこそ、状況の変化に応じて投資をする。それがあるべき姿ではないか。


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