2015年7月16日木曜日

【世界遺産を守れ!!】芝浦工業大学が軍艦島のRC建築補修工法提案


 芝浦工業大学工学部建築学科の濱崎仁准教授を中心とした研究チームが、ユネスコの世界文化遺産に5日に登録された長崎市の軍艦島=写真=(端島)内に立つRC建築物の補修工法を提案した。歴史的価値を損なわずに経年劣化を抑えるため、防さび剤の亜硝酸リチウム(LiNO2)を活用。コンクリートの外観の色や形状を変えることなく鉄筋の腐食を効果的に抑えることができるという。
 軍艦島には、現存する日本最古といわれるRC造の集合住宅などの建築群が立ち並ぶ。長い年月、人の手が入らず、塩害や風雨にさらされ、劣化が著しい。
 11年には長崎市が日本建築学会に、軍艦島のコンクリート構造物群の劣化・損傷状況の評価や将来予測、補修方法の提案などの調査を委託した。同調査を担当するワーキンググループ(WG)を設置し、濱崎准教授もWGのメンバーとして軍艦島の補修分野の調査・研究に携わってきた。
 鉄筋の腐食抑制に主眼を置き、現地では試験体による暴露実験を実施。鉄筋の腐食抑制効果や補修材料などの浸透状況などを評価し、RC建築の補修工法としての有効性などを確認した。

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