新しい渋谷駅の完成イメージ |
渋谷駅改良工事の計画図 |
渋谷駅の改良は、14年4月から準備工事と並行して詰めてきた工事計画の詳細がまとまり、関係者との協議・調整が完了した。現在、本体工事の施工者の選定手続きを進めており、8月初旬までに契約を交わす見通し。総工費は750億円程度。先行して行う埼京線の移設工事は東京五輪が開かれる2020年春の完了、全体完成は27年度を予定している。
◇名物の急曲線ホームがなくなる◇
渋谷駅の大規模改良工事は、国土交通省関東地方整備局が進める国道246号拡幅との共同事業として実施。駅周辺の再開発事業や土地区画整理事業などと一体的に進める。
駅改良に向け、14年4月から作業ヤードの整備などの準備工事を進めてきた。準備工事のうち、土木関連は鉄建、軌道関連は交通建設、工事桁の製作・運搬は川田工業がそれぞれ担当している。
工事計画によると、ホームの移設・改築やバリアフリー化など各種工事を段階的に進める。駅南側にある埼京線ホームは約350メートル北側に移設。山手線ホームと並列の位置にすることで、利用者の乗り換えの利便性を高める。新設するホームの幅員は最大12メートル。
山手線ホームについては、外・内回り線で二つに分かれる現在のホームを、1面2線の島式ホーム(ホーム幅員最大16メートル)に改築する。
1階部分と3階部分の構内コンコースを拡充し、混雑緩和、他社線との乗り換え動線の改善を図る。1階、3階コンコースと山手線、埼京線各ホームを結ぶ4基のエレベーターを配備。1階北側と中央部にはそれぞれ幅員22~23メートルの自由通路を整備する。
東京五輪が開催される20年時点で、埼京線ホームの移設のほか、改札内のバリアフリー設備の整備、他社線との乗り換え動線の改善工事を完了させる計画だ。JR東日本の冨田哲郎社長は「渋谷駅周辺の動線を見直して交通結節点機能の強化を図るとともに、バリアフリー化も推進していく」と話している。
飯田橋駅の新ホームと仮設駅舎の配置図 |
総武線飯田橋駅(東京都千代田区)で計画しているホーム移設などの駅改良工事は、16年の中ごろの着手を計画している。移設計画位置にある西口駅舎の代わりとなる仮設駅舎の設置工事が完了し次第、早期にホーム移設工事、西口駅舎の建て替え工事、駅前広場の整備工事に入る。工事期間は4~5年を想定しているが、JR東日本は工期を短縮して2020年東京五輪前に完成させたい考えだ。事業費は100億円程度を見込んでいる。
現在の飯田橋駅のホームは、急曲線区間にあるため、列車とホームの間に最大33センチの隙間がある。JR東日本は昨年7月、利用者の安全性を向上させるため、ホームを西側(新宿方面)の直線区間に約200メートル移設すると発表した。新しいホームは、現在の西口駅舎が面する早稲田通りをまたいで整備される予定だ。
改良工事に当たって、西口駅舎を閉鎖する必要があるため、同社は仮設駅舎の設置工事に先行着手する。設置用地として、線路の北側にある千代田区の「飯田橋児童遊園」(富士見2の9の1)の敷地を活用。ホームの西側端部から線路上に仮設通路を設け、ホームと仮設駅舎を接続する。
児童遊園の遊具などの撤去を含めた「先行支障移転工事」は既に着工しており、施工を前田建設・鉄建JVが担当している。9月ごろからは仮設駅舎の設置工事に入る見通しで、近く施工会社と契約する。仮設駅舎の完成は16年5月末を予定している。
新たな西口駅舎やホームは、現在、設計作業を進めている。新駅舎には小規模な店舗も入る予定。区と連携して、現在の西口駅舎付近に約1000平方メートルの駅前広場も整備する。東口駅舎はそのまま残し、東口側のホームは連絡通路として引き続き利用する。
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