2015年7月30日木曜日

回転窓/運用で高まるインフラの価値

 本社がある東京・新橋までの通勤に利用するJR東海道線。その車内広告に最近、見慣れぬ地域の広告が増えた。埼玉や群馬、栃木など北関東方面の商業施設やマンション、観光イベントの案内などが目立つ▼3月に「上野東京ライン」が開業。従来は東京駅止まりだった東海道線が高崎線や宇都宮線と相互直通運転を始めた効果の一つだろう。沿線の民間企業などは、これまでより遠くからも人を呼び込もうとPRに熱がこもる▼上野~東京間約3・8キロの新設路線により、国内ワーストを争う混雑率だった山手線・京浜東北線の上野~御徒町間の混雑が緩和。観光・レジャー目的の利用者も増え、経済的効果は小さくない▼一方で、ダイヤが乱れた時には、つながっている路線に遅れの影響が広く及ぶ。人の流れが変わり、比較的すいていた路線の混雑率が高まるなどマイナス面も…。JR東日本の冨田哲郎社長は「輸送障害などへの対応を強化し、サービスの品質を高めたい」と話す▼インフラの価値は、ハードをどう運用するかによって大きく変わってくる。継続的な努力なしに、ストック効果は引き出せない。


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