2015年7月24日金曜日

【回転窓】廃校をどう利用するか

 少子化や過疎化を背景に、過去10年で2000校以上の公立学校が廃校になっているという。残った校舎をどう扱うかは、地方自治体にとって悩みの種だ▼文部科学省は、廃校を積極的に利用した事例として「50選」をホームページで紹介している。デイサービス施設など高齢者向けの事例が多いのは、超高齢社会に入った日本の現状の反映だろう。その他事例も、地域コミュニティー拠点など、今いる住民を主な対象にした事例が目立つ▼一方で、廃校に新たな価値を見いだし、積極的に活用する事例も。東京・荒川区は旧道灌山中学校を「スタートアップオフィス」としてベンチャー企業に貸し出している。新潟県聖籠町は旧亀代中学校を日本初のサッカーカレッジとして選手やトレーナーの育成拠点にし、町の活性化につなげようと取り組む▼群馬県沼田市で、廃校を建設職人の育成拠点にしようという取り組みが進んでいる。地域性の強い建設業の人材育成が、地域の拠点施設だった廃校で行われるのは興味深い▼沼田モデルが全国に広がれば、建設業の担い手確保・育成の大きな原動力になる。期待したい。


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