2015年7月31日金曜日

【回転窓】外で遊ばぬ子どもの言い分

 今週に入り、通勤電車の車内から学生が減り、夏休み到来を実感した方も多いのではないか。静かな車内を見ながら、出勤前に隣家の子どもが母親に勉強を促される声を聞いたことを思い出し、夏休みの宿題だったかと得心した。塾やサッカークラブに通っているから宿題は負担だろう▼最近は、昔に比べると屋外で遊ぶ子どもの姿がずいぶん少なくなったように思う。国の調査によると、塾通いや習い事の多さ、パソコンや携帯端末によるゲームの普及がその理由として挙がっていた。だが、当の子どもの言い分は異なるようだ▼隣家の子どもに聞くと、公園は禁止事項が多くて興味を引く遊具もないという。緑地はあるが、カブトムシなどの昆虫が来る樹木はない。川はコンクリートで囲まれ、水に近づくことは禁止だ▼子どものけがなどを恐れて、面白味のない公園を作り、川からも遠ざける。維持管理の容易さを優先し、緑地からは生き物が集まる落葉樹を減らしてしまう。そんな大人の都合が、子どもから外遊びを奪っているのかもしれない▼子どもの辛らつな意見に、インフラの在り方を考えさせられた。


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