東北地方整備局は5日、復興支援道路として岩手県内で整備を進めている「宮古盛岡横断道路」の都南川目道路工事現場で、地元住民を対象とした見学会を開いた。工事の進ちょくを実感してもらうとともに、作業内容などについて理解を深めてもらうことが狙い。地元5町会から子どもらも含めて約90人が参加。清水建設が施工している手代森トンネルなどを見て回った。
当日は、東北整備局岩手河川国道事務所の伊藤英和調査第二課長や佐藤玲子建設監督官、清水建設の平野宏幸副所長らのほか、事業促進PPPとして宮古盛岡横断道路事業監理業務を手掛ける東北地域づくり協会・建設技術研究所・竹中土木・奥村組JVの担当者らが現場を案内した。
2台のドリルジャンボを使い岩盤に穴を開けて発破により掘り進めていることや、特殊重機を用いて効率的に土砂搬出を行っている状況などを紹介。参加した住民からは「工事は予定通りなのか」「工事の難易度は」といった質問が出された。平野副所長は、予定よりも若干早く進んでいることや、早期完成が求められているため難易度が高いことなどを説明した。佐藤監督官は「工事が長期にわたるが、引き続き協力をお願いしたい」と住民に理解と協力を求めた。
宮古盛岡横断道路は盛岡市と宮古市を結ぶ地域高規格道路。信頼性・速達性の向上により、災害時の迅速な対応や産業活性化などにつながると期待されている。このうち都南川目道路は、盛岡市川目~手代森を結ぶ延長6キロの自動車専用道路で、二つの工区に分けて建設が進んでいる。手代森トンネルの延長は約2609メートル。現在、約624メートルまで掘り進んでいる。坑口部では35・9万立方メートルの土工事が行われており、約4割まで進ちょくしている。工期は17年3月17日まで。
福島県建設業協会の主催による若年者建設現場見学会が2日、西松建設が施工を担当する阿武隈東道路(仮称)玉野トンネル工事(福島県相馬市玉野)の現場で開かれ、県立相馬農業高校の生徒約20人が訪れた。
協会では将来の担い手確保・育成を狙いに年間を通して県内の土木、建築、環境技術系の高校生をそれぞれの地域の工事現場に招き、見学会を開いている。
玉野トンネルは、復興支援道路・相馬福島道路として整備中の国道115号・阿武隈東道路区間に位置し、浜通の相馬側と中通の福島側を結ぶインフラとなる。延長は968メートルで、16年度中の完成と供用を目指し、掘削が進んでいる。
見学会開催に当たり、協会事業部の齋藤淳業務課長が「実際の現場に触れることで、建設業への理解を深めてもらいたい」と話した。
西松建設の楠瀬龍太郎現場代理人は「現時点で540メートルまで掘削した。風化した花こう岩の上に堆積した軟質な地層のため、慎重に作業を進めている」と施工状況を説明。生徒たちは切羽の先端まで足を運び、トンネル断面の特徴や掘削機械の機能などについての説明に聞き入っていた。
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