鉄筋工日本一を掴み取った松田優作さん。 「社長や同僚が練習に付き合ってくれた」おかげと話す |
全国鉄筋工事業協会(全鉄筋、内山聖会長)は17日、「第1回全国鉄筋技能大会」(TETSU-1 GRANDPRIX)を富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)で開いた。鉄筋工の日本一を決める初めての全国大会で、全国の会員組合・協会の予選から選ばれた精鋭34人が国家技能検定鉄筋組立1級の問題に、はら筋一段を追加した課題の製作に取り組んだ。作業時間と精度を採点し、1位に飛田鉄筋工業(協同組合東京鉄筋工業協会)の松田優作さん、2位に吉岡鋼業(愛媛県鉄筋業協同組合)の川本竜一さん、3位に富田興業(関西鉄筋工業協同組合)の南昌宏さんが選ばれた。
TETSU-1 GRANDPRIXは、全鉄筋50周年の記念に、技能の全国大会を実施しようと館岡正一全鉄筋副会長(東京都鉄筋業協同組合理事長)らが発案し、開催されたもの。開会式で今大会の実行委員長を務めた館岡副会長は「日ごろの成果を十分に発揮してほしい」と選手を激励した。
採点は、国家検定であればプラスマイナス25ミリを許容するところでも同10ミリとするなど、審査基準を厳しく設定。新妻尚祐採点委員長(東京都鉄筋業協同組合副理事長)は、「平行や直角、精度をミリ単位で求め、全体の仕上がりに影響するわずかなピッチの狂いを見た」という。選手に与えられた標準時間は80分。練習では60分未満で仕上げられた選手も複数いたが、当日は超過する選手もおり、「時間のプレッシャーを、腕でどうカバーするかが見どころ」(外部採点委員の菅井文明富士教育訓練センター専務理事)となった。
富士教育訓練センターで行われた協議の様子=17日、静岡県富士宮市で |
表彰式で2位の川本さん(35歳)は、「1位になりたかった」と悔しさを見せ、3位の南さん(41歳)は「こういう場に立てて、良い経験になると思った。本番はかたくなってしまった」と述べた。
閉会式で内山会長は「こんな楽しい日はなかった」と選手や関係者に謝意を示した上で、「全鉄筋の会員は鉄筋工の生活を守るために日々努力している。今日はそのスタート。優良な技能者は最低でも年収600万円の給料がもらえるようにしていきたい。職人の技能を高めるためにも大会を継続したい」と次回への抱負を述べた。
1位の松田さん㊥と2位の川本さん㊧、3位の南さん |
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