2015年10月29日木曜日

【1533億ドル=18・5兆円】英保険ロイズが災害経済損失推計、東京は…


 2025年までの10年間に、自然災害などが東京に与える経済損失は1532・8億ドル(約18・4兆円)-。このような推計が英保険市場ロイズの「シティー・リスク・インデックス2015-2025」で明らかになった。国内総生産(GDP)のうち災害で失われるとされる金額で都市リスクを評価したところ、東京は世界301都市の中で2番目に高かった。1位は台北の1812億ドル。大阪は793・2億ドルで8位だった。

 地震や洪水、暴風雨などの自然災害と、テロやパンデミック(感染症の流行)、サイバーアタックといった発生の予想ができない人的災害を加えた18種類のリスク要因ごとに損失額を算出した。301都市を合計すると、今後10年間の予想GDP373兆ドルのうち、損失額は4・6兆ドル。損失が大きいリスク要因は市場の暴落(1兆ドル)、パンデミック(5918億ドル)、暴風雨(5865億ドル)の順だった。

ビルが林立する東京都心部。経済損失の最大要因は「暴風雨」という
 ロイズは東京の経済損失について、年平均GDPの約1割がリスクにさらされていると分析。最も影響の大きい要因は暴風雨(290億ドル)だとしている。東京は、地震(188億ドル)や洪水(177億ドル)などを含む自然災害リスクの占める割合が大きいものの、市場暴落(229億ドル)など人的災害にも警戒が必要だとした。調査対象となった日本の13都市の損失額を合計すると3266億ドルだった。

 ロイズのインガ・ビール最高経営責任者(CEO)は報告書の中で、「今回発表したリスク指数を活用し、保険業界や各国政府、企業はレジリエンスの強化やリスク低減、インフラの保護につながる議論を始めてほしい」と話している。

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