就任会見で意気込みを語る石井国交相 (7日午後11時すぎ、東京・霞が関の国交相で) |
石井国交相は建設業の現状について、震災復興事業や民間投資の増加で需要が回復している一方、「少し前を振り返ると、長年にわたる事業量の減少で、業界自体が疲弊した」と指摘。その結果「若い方を採用して育てなかった弊害が今、非常に出てきている」と担い手確保・育成に対する問題認識を表明した。
その上で、「長期間にわたって仕事量を確保していくことによって先の見通しが立ち、(企業が)人材育成や設備投資、技術開発をしていこうという動きが出てくる」と強調。前任の太田昭宏国交相と同様、公共投資の安定的・持続的確保に取り組む方針を示した。
国交省への初登庁前に首相官邸で行われた会見でも、社会資本整備を「次世代への設備投資」と表現し、「インフラのストック効果を十分発揮できるような事業に選択と集中でしっかりやっていく。戦略的なメンテナンスにも取り組む」と太田前国交相の路線を継承していく考えを示した。
国交省での記者会見では、安倍晋三首相から、国土強靱(きょうじん)化を進めて地域経済の発展につなげ、交通網の整備を地方創生の起爆剤とするよう指示を受けたことを明らかにした。
住宅政策に関しては、出生率を上げていくため3世代の近居・同居を促進する施策を検討する方針を表明。インフラシステム輸出では、「海外交通・都市開発支援機構を活用しながら海外展開を促進していく」と述べた。
石井国交相は旧建設省の技官を11年務めた後、政界入りした経歴を持つ。会見では、「22年9カ月ぶりに戻ってきた。(旧運輸省、旧国土庁などと統合し)大きな役所になっており、そういった意味では新たな決意で仕事に当たらなければならない。新人のつもりで臨みたい」と古巣での活躍に強い意欲を示した。
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