建設業振興基金は、建設産業の人材確保・育成に関する取り組み事例を建設産業総合ホームページ「建設現場へGO!」に掲載した。14年度の国土交通省からの受託事業「建設業における人材確保・育成に関する調査検討業務」で収集した14の成功事例について、▽元下連携▽地域ネットワーク▽専門工事業団体▽専門工事業者-に分類し、各事例に取り組んだ動機や成果、実施体制といった切り口から内容を整理し、分かりやすく紹介している。
紹介した14事例は、建設業者団体に対するアンケートで各地域の事例を収集した上で、優良な成功事例を抽出したもの。関係者へのヒアリングを通じて人材確保・育成に向けた具体的なプロセスなど詳細な情報を調べ、水平展開する上で参考となるような情報を提供している。
各事例は、ゼネコンの協力会社、建設業団体、個別企業などさまざま。ゼネコン系では、大林組と鹿島の協力会の取り組みが紹介されている。大林組については、協力会と連携して14年5月に運営が始まった教育訓練校「大林組林友会教育訓練校」(埼玉県八潮市)の取り組みを掲載。訓練生を派遣する会社と訓練修了生本人に資格取得に伴う奨励金や報奨金を支給するなど、訓練に伴う負担軽減とモチベーションアップを狙いとしたインセンティブ制度の導入などを紹介している。
鹿島事業協同組合連合会では、協力会社の新卒者の採用活動を鹿島のネームブランドを生かして実施している事例を掲載。型枠、鉄筋などの仕事内容を紹介するDVDを制作したり、富士教育訓練センター(静岡県富士宮市)を利用して新入社員研修を行ったりするなどして、入職の呼び掛けと入職後の研修の双方に取り組んでいる。
そのほか、団体による活動では、鉄筋工事の役割や重要性をアピールする出前講座や技術展への出展に取り組む関西鉄筋工業協同組合、OFF-JTとOJTを組み合わせた実践型人材養成システムを活用した全国基礎工業協同組合連合会の活動も紹介している。
ホームページでは、若手の人材の入職・定着の促進やキャリア形成のために用意された助成金・補助金について、対象となる事業や助成額を含めた制度紹介を行い、具体事例を示すことでそれらの活用も促している。
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