構台の上で組み立て、送り出しを待つ跨線橋の桁 |
◇線路上空で橋桁送り出し◇
工事名は「東北本線仙台駅構内宮城野こ線橋改築西工区」(工期11年6月30日~16年5月31日)。片側1車線の道路橋を、片側3車線と歩道の上下線に分かれた橋梁に架け替える事業だ。西工区では、線路上空にある旧桁を撤去し、合成床版(コンクリート・鋼)の新桁を架設。桁を送り出す発進点となる線路近傍の橋脚(西側)も施工する。事業者は仙台市で、工事の発注・管理・監督はJR東日本東北工事事務所、施工は鉄建・安藤ハザマJVが担当している。
線路をまたぐ工事のため、線路を閉鎖し、き電を停止している時間内での着実な施工が要求される現場だ。現在は下り線の道路切り替えを終え、上り線の橋桁架設工事を行っている。
中でも工事の山場となるのが橋桁の送り出し。本桁(長さ38・5メートル、幅17・15メートル)は250トンの重さがあり、線路をまたぐ支間長37・5メートルを片持ち状態で送り出すことができない。そこで、「手延べ機による送り出し工法」を採用した。本桁の先端に軽量な手延べ機を取り付け、線路上空に送り出して到達させる工法だ。
西側ヤードに桁組み立て構台や自走台車などを設けた上、「本桁(38・5メートル)・連結構(6メートル)・手延べ機(24メートル)」を組み立てた。本桁後方の一部が供用している下り線に近接するため、この部分の桁材(鋼材)を外し、カウンターウエート(つり合いを取るための重り)を載せた。
橋桁は新幹線と在来線の間を縫って送り出された |
手延べ機の先端が橋脚に到着した様子 |
現場では今後、本桁を橋脚まで送り出したり、所定の位置にジャッキダウンしたりして新桁を架設。コンクリートを打設して合成床版を築造する。
高橋所長は「本桁のジャッキダウンや冬場のコンクリート打設など難しい工程が続く。無事故・無災害で良い品質のものを提供する」と表情を引き締めた。
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