技術研究組合国際廃炉研究開発機構(IRID)、三菱重工業、日立GEニュークリア・エナジー、東芝、東京電力は、廃炉作業を進める福島第1原子力発電所で使用する「上部階除染装置」を開発した。
同原発建屋の2、3階の床・壁面を対象に、除染用の各種機材を搭載した専用台車を遠隔操作で動かしながら高線量エリアで除染作業が行える。IRIDなどは16年度以降に実投入したい考えだ。
原子炉建屋の除染作業では汚染形態(遊離性、固着性、浸透性)に合わせて作業手法を選択する必要がある。
今回開発した除染装置には、すべての汚染形態に対応できるように▽吸引▽高圧水▽ドライアイスブラスト▽ブラスト-といった四つの除染技術を搭載した。
除染作業に必要な各種機器類は専用台車(作業台車、搬送台車、支援台車、中継台車)に分割して搬送する。作業台車ではロボットアーム(7軸多関節)2本などを用いて除染作業を行う。
搬送・支援台車には、除染作業で使用する吸引装置などの除染ユニットを搭載。中継台車は、吸引・ブラスト除染と高圧水ジェット除染方式で作業を行う際に、基地局から先頭の作業台車までの各装置に必要な動力と通信を中継する役割を担う。
16日に千葉県内で行われた上部階除染装置の発表会で、IRIDの高守謙郎研究管理部長は「各社が一体となって技術を結集し装置が完成した」と述べた。
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