国土交通省は、建設会社で働く女性の実態調査結果を明らかにした。中小から大手までの1588社が回答。今年10月時点で、女性の就業者(事務系職員を含む)は全体の13・0%で、技術者の4・5%、技能者の4・2%だった。
建設業の女性の就業者数は推計値などはあったが、調査で実際のデータが分かったのは初めて。
15年度の採用者に占める女性の比率は技術者で9・1%(前年度8・1%)、技能者で3・8%(2・5%)とともに増加していた。
実態調査の結果は、5年以内に女性技術者・技能者を倍増させるとした「もっと女性が活躍できる建設業行動計画」(14年8月策定)の目標達成に向けた政策立案に活用する。
調査には主要建設業5団体のほか、住宅生産団体連合会(住団連)、JBNジャパン・ビルダーズ・ネットワークの所属企業・組合が回答した。
調査結果によると、企業として女性活躍に取り組んでいるかを聞いたところ、「行っている」が29・6%、「今後行う予定」が34・7%で、合計すると64・3%だった。
女性の採用や登用の数値目標については、設定済みが16・4%にとどまったが、「今後設定する」が59・6%に上った。
女性の継続就業のための産休・育休などの制度については、大半の企業が既に導入しており、子育てや介護で法定以上の短時間労務制度を設けている企業が57・0%と半数を超えていた。
調査では産休・育休取得後の状況も質問。育休取得後に復職した人は、技術者の65・4%、技能者の54・5%にとどまった。事務系職員では68・0%だった。
女性活躍のために解決が必要な課題を聞いたところ、最も多かった回答が「体力が必要な工程が多く、女性の担当業務が限られる」(52・7%)。
これに「女性は時間外労働などをさせにくいイメージがある」(38・7%)、「家庭との両立をフォローアップするための人員の余裕がない」(36・3%)が続いた。
一方、効果的な女性活躍の支援策としては、「家庭との両立に配慮した労働時間の見直し」(56・7%)、「女性に適したハード環境整備の導入」(49・0%)、「家庭との両立に配慮した休暇取得制度の整備」(43・0%)などが挙がった。
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