東北地方整備局による三陸沿岸道路整備のリーディングプロジェクトとされていた「吉浜道路」が11月29日に開通を迎え、岩手県大船渡市の吉浜高架橋で開通式が開かれた。関係者によるテープカットとくす玉開披に続き、地域住民代表による三代渡り初め、開通パレードが行われた。
式典には石井啓一国土交通相、徳山日出男国交省事務次官、達増拓也岩手県知事、戸田公明大船渡市長らが出席。石井国交相は「地域に開かれた工事現場として整備を進めてきた。引き続き、復興道路や復興支援道路の一日も早い全線完成を目指し事業に努めていく」とあいさつ。達増知事は「通行難所である羅生峠を越え、安全な交通確保と物流、観光などさまざまなストック効果をもたらす」と展望した。
戸田市長は「吉浜道路の開通によって、大船渡市内全てのインターチェンジが完成した。昨年度までに開通した大船渡三陸道路、高田道路と合わせて28・7キロが供用開始となった。宮城県境や釜石市とつながるまであと一歩だ」と述べた。
吉浜道路は、大船渡市三陸町の吉浜インターチェンジ(IC)から吉浜高架橋(延長373メートル)、吉浜トンネル(1644メートル)、越喜来高架橋(584メートル)を経て同町内三陸ICまでの延長3・6キロ。
事業を所管する東北整備局南三陸国道事務所の佐藤和徳所長は「96年度に基本計画決定し、07年度に事業化、09年度に工事着手した。この区間の国道45号経由に対して約4キロと6分程度の短縮を図ることができ、33カ所に及ぶ急カーブの峠越えをバイパス可能となった」と経緯と整備効果を説明した。
開通式後のパレードでは地元の食品会社や企業の車両が製品・商品を載せて発車するなど道路活用の機運を高めていた。
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