2015年12月8日火曜日

【空の旅を快適に】主要空港ターミナル、14年度売上高首位は羽田

 全国の主要空港ターミナルビルで、14年度の売上高トップは2年連続で東京国際空港(羽田)を運営する日本空港ビルデングだったことが、東京商工リサーチの調査で明らかになった。

 訪日外国人旅客が大幅に増えたことが主因で、売上高は前年度比19・2%増の1410億24百万円に達した。2位の北海道空港(新千歳)の2・8倍で、国内空港ビル会社58社の半分を同社が占める結果となった。

 調査は58社を対象に実施。14年度の売上高の合計は2901億32百万円で、前年度比12・3%の増加となった。増収は40社、減収は18社。LCC(格安航空会社)の就航や円安を背景に訪日外国人が増加し、航空旅客数は国内線2・9%増、国際線9・1%増の伸びを示した。これにより各空港ビル会社の売上高を押し上げた。

 売上高トップは、日本空港ビルデング。訪日外国人の増加で、羽田空港は国際線旅客数が前年度比40%増と爆発的な利用増を記録した。2位の北海道空港は前年度比6・6%増の504億20百万円、3位の福岡空港ビルディングは18・1%増の210億16百万円。

 売上高上位10社は前年度と同じ顔ぶれで、大阪国際空港ターミナルや東京へのアクセス手段として航空機の利用が一般的な九州の空港ビルが上位を占めた。

 売上高増加率のトップは前年度比55・0%増となった但馬空港ターミナル。同空港は民活空港運営法に基づき1月から全国で初めて空港運営が県から空港ビル会社に移管された。燃料販売やテナント収入は前年並みだったが、事業移管に伴う補助金収入により前年度比6187万円増の大幅増となった。経常損益が判明した56社中、黒字は55社で、赤字は福島空港ビルの1社だけだった。

 経常利益率ランキングでは、壱岐空港ターミナルビルが57・6%でトップ。仙台空港ビルが33・6%で続いた。仙台空港は今年9月、コンセッション(公共施設等運営権)方式による民間委託の運営権者として東京急行電鉄、前田建設、豊田通商、東急不動産、東急エージェンシー、東急建設、東急コミュニティーの7社で構成する企業連合と基本協定を結び、16年6月をめどに完全民営化する予定。

 空港ビルは収益力の高さが特徴の一つ。高松、新千歳、福岡、富士山静岡、広島なども民営空港を目指しており、民営化後に高い収益性をどう活用していくか、仙台空港の事例が注目を集めそうだ。

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